こんにちは。フードサルベージの平井です。
1月28日に、大阪にある「ソルトバレー芦原橋」さんで
フードサルベージ主催では初となる、
サルパを開催してきました。
前から、「サルパは東京ばかりで開催していて残念」
「大阪でも開催してほしい」なんて声を
もらっていました。
だけど、縁深くない土地でやるイベントほどむずかしく、
不安なものはなく。開催したいきもちはありながらも、
なかなか本腰を入れられなかったのです。
そんなとき、連絡をくれたのが中山沙也可さん。
中山さんが東京で活動されていた時に知り合い、
その後、大阪に拠点を移されたのは知っていました。
そんな中山さんと、あることがきっかけで
連絡を取り合った際に、どちらからともなく、
「大阪でサルパやりませんか」となり。
そこからは、中山さんにいろいろ動いてもらい、
会場である「ソルトバレー芦原橋」さんを紹介いただき、
料理家の松本希子さんといっしょに
開催までの準備をすすめてもらったわけです。
中山さんには本当に感謝です。
さて、初となる大阪でのサルパ開催。
東京開催とは、どう違ったものになるのか。
当日の様子をレポートします。
本当は、梅田駅構内から20分以上出られなくなった話とか、
食べに行きたい店が多すぎて街を徘徊した話とか、
Googleマップは知っている土地でこそ役に立つ話とか、
書きたいことがたくさんあるんですが、ここは我慢。
はじめに、じぶんから集まったみなさんに向けて
サルパの楽しみ方や、過去のぼくたちの活動内容について
お話させていただきました。
いつもより、丁寧に細かくお話させてもらいました。
あ、この日はテレビ取材も入っていました。
その間に、集まった食材と、
あらかじめ用意しておいた食材を使って、
松本さんには仕込みをはじめてもらいました。
この日集まった食材は、
お茶漬けの素/タコミートの素/梅酒の梅/梅干/
さつまいも/乾麺/回鍋肉の素/春雨/ツナ缶 など。
これだけを見ると、集まる食材に
地域差はないような気がしますね。
缶詰、乾物、野菜が多く集まりました。
東京でサルパを開催したときに、
お好み焼きソースが2本集まったことがありました。
また、粉物もよく集まるんですが、
そのことをこの日の参加者に伝えると、驚いていました。
中には、「お好み焼きソースは週に2本使う」なんて方も。
(じぶん騙されていないだろうか 笑)
エプロン持参で、みなさんに調理に参加してもらいました。
メニューは松本さんが考え、松本さんの指示にしたがい、
野菜を切ったり、油で揚げたり、取り分けたり。
プロの料理を見ることも面白いですが、
それだけじゃなくて、やっぱり自分で手を動かすと
身につく気がします。
できた料理から、みんなで試食。
料理を全部食べた後には、ふりかえり。
ホワイトボードに書いておいた料理名を見ながら、
みんなで松本さんに、調理方や食材についてうかがいました。
開催概要
日程 2017年1月28日(土)11:30〜14:00
場所 ソルトバレー芦原橋(大阪市浪速区浪速東1-2-3)
参加人数 11名
主催 一般社団法人フードサルベージ
ゲスト料理家 松本希子
コーディネイト 中山沙也可
出来上がった料理 全7品
「白菜のクタクタ煮」
平井個人的には、これが一番印象深いメニュー。
白菜半個をザクザクと切って、鍋に入れて煮るだけ。
この日はツナを入れて、醤油で味付け。
松本さん曰く、ツナではなくベーコンでもおいしい。
その時期の野菜って、安く大量に手に入るから
じつは使い切るのに一工夫必要だったり。
そんなとき、手間いらずのこんな調理方法は、
料理をたのしくしてくれる。
「そばのパリパリサラダ」
もはやサルパではおなじみの、乾麺を茹でない調理。
今回は、乾麺のそばを半分にポキっと折って素揚げ。
サラダの具材に使いました。
この日、梅が多く集まったので、松本さんが
ささっと梅のドレッシングを作ってくれました。
梅は、東京でもよく集まります。
梅は大量に手に入ることが多いようで、
梅酒や梅干にする人も多いですが、それでも使い切らない。
昔の人たちが、
梅を上手に保存していた理由がよくわかります。
「大根の皮と昆布のタコミート和え」
松本さんの中で、これは当初作る予定がなかったそうです。
いろいろ調理を進めていくと、大根の皮と、
だし取りに使った昆布(上等な昆布だったようで)が
使えそうだったので、
タコミートの素とパパッと和えたそう。
春雨も入っています。
「ふろふき大根 辛味噌/梅味噌添え」
白菜のクタクタ煮もそうだったけど、
食べた瞬間に、じぶんの心を鷲掴みにされた一品。
これはうまかったー。
とくに梅味噌が、いま思い出しても食べたくなる。
これを食べたとき印象的だったのが、
食べた人みんな「優しい味」と口にしていたこと。
でも松本さんは、「普通につくっているだけ」という。
現代人は、味の濃い料理や、
添加物を使った料理に慣れているから、
こういう「普通につくったもの」を
「優しい味」と表現したくなるんだろうなぁ。
「ポークソテー 梅ソース」
大量にあった梅をどう使うか考え、お肉のソースに。
梅のさっぱり感が、豚肉とよく合っていました。
お肉もおいしかったけど、自分なんかは
添えられている、さつまいもの素揚げが好き。
塩を軽く振っただけなんだけど、揚げたてはうまい。
揚げ物はちょっと面倒くさいと思われがちだけど、
家庭でももっと取り入れると、グッと料理の幅が広がる。
「即席お雑煮」
旧正月だったこの日。
お雑煮を出してくるあたり、さすが松本さん。
このお雑煮、なんと「お茶漬けの素」を使っています。
松本さんも、ふだんは料理にそういったものは
使わないそうですが、今回のサルパのために、
レトルトものを試食、試作して臨んでくれました。
いまや家庭で多くの人が使っているレトルトもの。
その使い方は、パッケージをみると限定的ですが、
すこしの発想で、べつの料理がつくりだせます。
「栗ジャムぜんざい」
瓶に入った栗ジャムを、牛乳で溶いてぜんざいに。
その上に、茹でたうどんを素揚げしたものをのせました。
できた料理は全部で7品。
はじめて大阪でサルパを開催して思ったこと。
はやく次の開催を企画したいなということと、
それぞれじぶんの置かれている環境の中で、
フードロスに対して興味を持っている人が多いなということ。
いや、「フードロス」に直接的に興味があるというよりも、
目に見える範囲の食材を、もっと丁寧に使いたい、
と思っている人が多いのかもしれない。
東京や大阪以外の地域で開かれているサルパのレポートを
覗いてみても、同じことを思います。
食べることを楽しむ以外にも、
その背景にある食文化や社会課題である「環境」と
料理を楽しむことの「公共性」を、
人は求めはじめている気がしてならない。
近々、大阪で開催できるようまた企画します。
ほかの地域にも、行きたいなぁ。