3月16日に、東京恵比寿にあるクックパッドさんの本社で行われた「サルベージ・パーティ」。クックパッドさんには、社員用のキッチンがあり、ここではパーティ・食や健康に関するワークショップ・勉強会などのイベントが開催されているそうです。そこで今回は、いつもと趣向を変えて、クックパッド社員のみなさんにサルパに参加してもらいました。笑顔につつまれながら、和やかに進んだサルパをレポートさせていただきます。

 

 

もて余した食材を持ち寄り、シェフがその場でメニューを考えライブクッキング。できた料理をみんなでおいしく食べるのが、サルベージ・パーティ。クックパッド社員のみなさんには、それぞれ食材を持参いただくことに。さずがのクックパッドさん、キッチン設備がとても充実していて、せっかくだからと、社員のみなさんにも、サルベージ・クッキングに挑戦してもらうことにしました。

平日の夕刻、仕事が終わった人も、まだ片付いていない人も、すこしずつ、会場に集まりはじめ、テーブルに座ってペンを片手になにやら書いています。書いているのは「じぶんが持ってきた食材と、それが家で余っていた理由」。家で食材が余っていた理由、あらためて考えると意外とわからないことが多いんですよね。これもいい機会。なんとかして思い出してもらいます。

みなさんが集まったところで、まずは、フードサルベージ代表の平井巧からごあいさつ。そして、サルベージ・パーティについてご紹介。

そして、今日のサルベージ・シェフをご紹介。なんと、今日はスペシャル。公認のサルベージ・シェフ2名に参加してもらいました。いままでサルパに最も多く立ってもらったキムラカズヒロさん。そして、女性初のサルベージ・シェフである吉田舞さん。2名のシェフが、サルパで登場することははじめてなので、企画する僕らでも、普段ないその様子にちょっと興奮ぎみです!

つぎに行ったのは、サルパ恒例の、じぶんが持ってきた食材についての紹介コーナー!これが意外と毎回盛り上がるんですが、今回も期待通り。

「わかる!それウチでも残っちゃう!」 「バニラビーンズ、はじめてみた!」 「余ることわかっているけど、野菜はこのサイズしか売っていないので、買っちゃって…」

ひとりが、持ってきた食材について紹介するたびに、他の人からさまざまな意見が飛び交います。それあるある!な食材持て余しポイントが、たくさん発見できました。そんなことが、「明日からの買い物の仕方をちょっと変えてみよう」とか「だれかに食材をあげるときはちょっと気をつかおう」とか、「食材は使い切るという意識を持ってみよう」など、まずはじぶんが無理なく出来ることからはじめてみる、というフードロス削減への第一歩がみつかります。

集まった食材が一通りわかったら、いよいよサルベージ・クッキングのスタートです。参加者が4チームにわかれ、それぞれがサルベージする食材を選びます。どういう料理を作ろうか?なんて考えながら、食材のアレとコレの組み合わせや、味を想像しながら食材を検討しました。

たとえば、こちらのチームが選んだのは、キャベツ、海藻サラダ、きゅうり、庭で採れた名もなき柑橘などなど。

シェフ2人にも、おなじく食材をサルベージしてもらいましょう。

キムラさん、パッケージの裏面を見て、この食材にはなにが使われているかチェック中。キムラさんが選んだ食材は、餅、カニ缶、炊き込みご飯の素、木綿豆腐、キャベツ、柑橘のくだもの。

吉田さんも、並ぶ食材をみながら、頭フル回転中。選んだのは、大豆餅、ピーマン、キャベツ、スパム、レモングラス、お米、人参、板チョコ、きなこ、カンパン、柑橘のくだもの。どうやら2品つくるようです。

シェフが調理を開始すると、間近でそのテクニックとアイデアを見ようと、周りに人だかりが!

吉田さん、お米と一緒に、にんじんとキャベツとピーマン、そしてなんとレモングラスを炊飯器へ。調味料もナンプラーなどエスニックなものを入れて、どうやら炊き込みご飯をつくるようです。

シェフの調理がひと段落したところで、今度はみなさんの番。チームごとに別れて調理開始。食材を選ぶときに作戦会議したメモなどを頼りに、調理の手順、役割分担を話し合うチームもあれば、いきなり、食材の下処理を始めるチームも。それぞれに個性が光ります。

両シェフが、各チームにアドバイスに入りながら、調理は進みます。キムラシェフからはこんなアドバイスも。

 

参加者>味はどうですか?アジア感出すなら、もう少しレモングラスですかね?

キムラさん>味の深さがもっとあるといいなー。にんにく入れると美味しくなる。ただそのまま入れると、にんにくそのままの味になるので、他のフライパンでオリーブオイルとにんにくを軽く炒めてから入れるといい。あとはナンプラーを味見しながら加えると美味しくなるよ。

そのほかにも、プロならではのアドバイスがたくさん出てきました。

参加者 >いも餅をつくっているんだけど、他に加えたほうがいい食材はないかな?

シェフ>茹大豆があるので、それをつぶして入れてもいいかも。ただポテトよりも入れる量が多くなると大豆の味が強くなるから、少なければOK。

参加者 >フルーツを中心としたサラダを作っているけど、何を入れた方がよいですか?

シェフ >サラダは彩りがあると美味しく見える。せっかくフルーツ感もあるから、大根を入れる場合は、ブロック状に小さくカットすると見た目も触感も良くなりますよ。

参加者 >芋団子がおいしく感じるかたさは?

シェフ >手でかたまる程度がいいと思う。ただぽろぽろするようなら、少し水を入れるか片栗粉を使う。かたさも大切だけど、団子は塩加減が大切だから、味見しながら丸めましょう。

 

シェフのアドバイスを参考に、見た目も、味も、よりまとまってきました。

1時間もかからず、すべてのチームの料理が完成!テーブルにできた料理を並べます。

レモングラスで煎れたレモングラスウォーターをみんなで飲んで、落ち着いたところで。できた料理について、どんな食材を使ったのか、どんな工夫をしたのか、各チームから紹介してもらいました。オリジナルの料理名もその場で考えて発表してもらいました。

そして、みんなでいただきます!

一通り食べ終わったところで、投票のお時間です。おいしいだけではなく、レシピの発想やアイデアも考慮して手を挙げてもらいました。

できた料理は全10品。その中でもっとも票を集めたのはこちら。切り干し大根とはるさめのタイカレー風でした!味のバランスがよく、食べごたえもあったのが票を集めた理由かも。そういえば、調理中にキムラさんが味の構成について、アドバイスしていました。

ほかにも、こんなにたくさんの料理ができました。

3種のフルーツのオープンクラッカー。

殿堂入りライスパンケーキ。

糖質たっぷりいももち。

その名も、「人生角切り」。「材料をやみくもに角切りにして、なんとなくいろんな調味料とあわせたら、偶然の出会いからおいしい一品が生まれた!まるで人生そのものだ」という料理名の由来にみんな爆笑。

こちらは、鬼ヶ島サラダ。

大豆と人参とかじかと梅なやつ。かじか、知ってますか?

カラフルフルーツサラダ。

もう一品サラダです。キャベツ、海藻、いちじくのサラダ。

キムラシェフがつくった料理はこちら。味付けは、調味料をほとんどつかわず、サバ缶と炊き込みご飯の素だけ。キャベツと木綿豆腐を軽く煮込み、少量の油で揚げたお餅の上にかけた一品。

こちらは、吉田シェフによる、チョコと餅、きな粉、柑橘果物をつかったスイーツ。

余りがちな食材を工夫して調理するサルベージ・クッキング。その食材の可能性を探り、シェフのアドバイスを受けながら、じぶんたちで調理すると、こんなにも楽しいのかと、あらためて感じられた時間でした。みなさんお疲れ様でした!