こんにちは。フードサルベージの平井です。

サルベージ・パーティの醍醐味は、料理のプロフェッショナルであるシェフが、集まった余り物食材をドンドンと片付けていく、その様がかっこいいところ。目の前でシェフが、食材の「意外な使い方」を見せてくれると、こっちも料理意欲が湧いてくるってもんだ。なにより、そのときのシェフの神々しさといったらもうたまらない。

そんなシェフのワンマンライブスタイルも抜群に面白いと思うけど、最近思うのは、「なんだ、参加者みんなで料理をするスタイルも面白いじゃないか!」ということ。参加してみるとわかるけど、意外とみんな「なんとなく」で普段料理しているんだなぁ、ということがわかる。これは決して悪いことではないと思っていて、「なんとなく」な料理の仕方がたくさん集まると、楽しさが加わってきて「なんとなく」の不安定さをカバーしてくれる。そしてみんなで調理することがとにかく楽しい。みんなで知恵を出し合って料理する連体感。シェフがメニューを考えてみんなで料理する、なんてサルパもやってみたらやっぱり面白かった。

野菜の切り方を変えると食感が良くなるとか、事前に水で戻さなくても野菜と一緒にまぜっかえすことで乾物が自然と戻るというような、「知っておくと便利なこと」を外で学ぶ機会はあまりない。母親やおばあちゃんに教わったりして、そこには各家庭独自の知恵があったり。まさに一子相伝。でもまさか「わが家の調理方法は門外不出です!」ってわけでもないだろうから、そういう知恵やアイデアは、もっとどんどん、周りの人たちに教えてあげたり教わったりすれば良いと思う。

 

みんなで料理するサルパが、6月末に北海道で開かれました。主催のサルベージ・プロデューサー和田順子さんから、レポートが届いたので紹介します。

 

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今回は、札幌から車で約1時間のところにある「長沼」でサルパ。あらかじめメイン食材を「おから」に決めて、みんなで持ち寄った家の余り食材といっしょに調理。なんで「おから」をメイン食材に選んだか? 長沼は大豆の生産量が日本一なんだそう。参加者みんなで料理したから、食材の使い方も個性的なアイデアがたくさん出たようですよ。

 

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開催概要

サルベージ・パーティ® ~生産地で考えるフードロス~

日程 2017年6月29日 10:30〜13:30

場所 MAOIQ(北海道夕張郡長沼町字加賀団体)

参加人数 8名

料理スタイル 参加したみんなで料理!

主催者 和田 順子(サルベージプロデューサー)

共催者 一般社団法人ながぬま

 

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集まった食材 36品 出来上がった料理 全10品

「カレー麩」

大きな「ちゃんぷるー麩」が3本。みなさんがいちばん「どうしよう…」と思った食材がこの大きな「麩」でした。麩がカレー風味のから揚げに。ヘルシーながらも満足感のある一品になりました!

麩はまったく扱ったことのない人、少量でしか使い道を思い浮かばない人がたくさんでしたが、みなさんが真っ先に「どうにかしよう!」と取り組んだのが麩でした。そのおかげで、大きな麩3本がまたたく間に無くなり、おいしい料理に変身しました。

 

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「スパムの大葉はさみ揚げ、パセリとおから衣」

スパムの香りや脂っぽさが苦手な方もいると思います。それを大葉を挟むことでスッキリと。さらにおからにパセリをまぶした衣で揚げることで、カリカリの食感も楽しめる一品になりました。おからって揚げ衣にもできるのですね。新しい使い道を知りました。

 

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「いちご麩ルーチェ」

戻した麩に、いちご味のフルーチェをまぶして即席のスイーツに。食感はフレンチトーストのような雰囲気です。麩をこうしてスイーツとして使うアイディアはとても新鮮でした。フルーチェは、牛乳が無いとどうにもならないと思い込んでいましたが、単品だとフルーツソースのような味わい。これがわかると、意外と使い道が増えそうです。

 

「おからと鯖のイタリアンボール」

おからがサラダになりました。おから単品だけだとパサつきがちですが、そこに鯖缶とピザソースの汁気が入ることで、しっとり。さらにサラダをラップでぎゅっとかため、茶巾のようにしたことで、よりパサつきを押さえることができました。

おからは火を通さずにサラダとして食べられることがわかりました。煮つけにしたりととにかく火を通さないといけないイメージでしたが、サラダであれば調理のハードルはかなり下がりそうです。

 

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「比内地鶏とあごだしのダブルスープ」

ひと袋だけ余ってしまった「つゆ」。だしがよく効いているので、大根菜などの具をプラスしてお吸い物にしました。調味済みなので、味付けに失敗することのないつゆは、こうした使い道を知っておけば余らせてしまって困ることもないとわかりました。

 

「コーヒー コロコロリゾット with あごだし」

初めて見ました、お米をコーヒーで煮た人! コーヒーは、そのまま飲むかスイーツとして利用するかしか思いつきませんでしたが、リゾットに…。作った方によると、一度テレビで見たことがあったそうでやってみたかったのだとか。試食してみると、確かにコーヒーとお米の組み合わせであることは間違いないのですが、全然嫌じゃない味。お茶漬けが存在するので、コーヒーや紅茶を料理に使ってみるのもおもしろいかもしれないと思いました。

 

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「お麩のじゃがいもおから サーモンファルシ」

お麩の中心に空いている穴に、じゃがいも・おから・鮭を和えたものが入っています。見た目もきれいでメインになりそうなボリュームおかずですが、ヘルシー食材で作られているので女性にはとてもうれしい料理です。

食材に穴やくぼみが開いたら詰めてみるなど、形を生かした料理は見た目が華やかになるとわかりました。

 

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「ムール貝のおからコロッケ カレーピザソース」

おからにすりおろしたじゃがいもを加えて衣にし、缶詰のムール貝を包んで揚げました。それだけだと少しぱさつくので、カレーとピザソースを合わせたソースをたっぷりかけていただきました。

ムール貝の缶詰がコロッケの具になるのは、とても新しく感じました。

 

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「おからとさつまいもの 美と健康のもっちりケーキ」

おいしくないわけないケーキ! パンケーキミックスにさつまいもとおからを加え、なんともヘルシーで女性ウケ抜群のケーキが出来上がりました! おからのおかげでしっとりもちもち。おからのパサつきが得意でない方は、こうしてパンケーキなどに混ぜていただくのがよいとわかりました。

 

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「ママ!ビール!」

牡蠣の缶詰におぼろ昆布とピンクぺッパーで華やかに。缶詰の乾物を組み合わせただけなのですが、調理器具を何も使わずにおもてなしもできる一品に。こうした使い道を覚えておくと、生鮮食品が何もない時でも慌てずに済むと感じました。

 

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参加者の声

みんなのアイディアで、食材が生かされたことがうれしかったです。

初めての方とも料理を通じて楽しくおしゃべりしたりできたことも、すてきな経験となりました。

自由にお料理しようと思いました。

サルベージ・パーティを広めたいと思います。

インターネットに頼らず、ひねりだして新メニューを考え作ってみようと思いました。

ふだんとちがう使い方ができたり、他の方のアイディアがステキで参考になったり、色々な発見があって楽しかったです。

初めて食べた味など、チャレンジが楽しいと感じました。

苦手だった料理、メニューを考えることが毎回苦痛だった食事作りですが、持ち寄ったあまり食材で、こんなにもたくさんのおいしい料理に変身したことが楽しかったです。

おからをふんだんに使え、新しい使い道を知れました。

来た時はきっとみんな不安ですが、楽しい気持ちになれる主婦にとってうれしい学びでした。

 

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