サルパを開いたみなさんから届いた
いろいろなサルパの事例をご紹介!
サルパをこれから開いてみたい方や、
サルパの新しいアイデアを知りたい方は、
ぜひチェックしてみてください。

愛知県碧南市で行われた

サルパのレポートです!
(フードサルベージより)


 

開催概要

日程 2020年2月2日(日)11:30~14:00

場所 愛知県碧南市作塚町1-16 日本料理 一灯

主催 長田 勇久(日本料理 一灯 店主)

 

はじめに

愛知県碧南市はにんじんの産地です。

この時期、おいしい人参がたくさん出回り、

産直では大袋を買う光景もよく見かけられ、

この地域では馴染みの深いお野菜のひとつです。

でも、にんじんの使い道が、煮物やサラダなど

かたよりがちになっちゃう、

という悩みも多いそうです。

 

そこで、今回は旬を迎える「にんじん」をテーマに、

人参農家で野菜ソムリエ上級プロの永井千春さんから、

にんじんのさまざまな魅力を教えていただくとともに、

日本料理一灯の長田料理長から

おいしい使い切りの技を教えていただき、

おいしくたのしくフードロスについて、考えました。

 

※「サルベージ・パーティx日本料理」 は、食材は持ちより形式ではありません。

①生産者さんから、その食材が食卓に届くまでやその食材の魅力を教えていただく、②プロの料理人の方から、食材のおいしさを引き出し上手に使い切る技を学ぶ、③おいしくみんなでいただく。などしながら、「食べ物をおいしく大切に使うこと」をみんなで考えました。

第1回の様子はこちらから。

 


 

にんじんのお話

 

永井さんはニンジン・タマネギの専業農家。へきなん美人®、へきなんサラダタマネギを中心に産地特産物を育てています。HPはこちら

お野菜作りは台風や雨不足などの天候との戦いで、特に2018年は大きな台風が多く、大変だったそう。でも、生産効率だけでなく、にんじんの魅力を伝えていけるよう、大切な人参の品種を引き継いだり、おいしく育つよう、そしてロスがなるべく出にくい工夫や努力を続けています。

さらに、ふだん使いのお野菜代表、「にんじん」をもっと楽しみたい!との思いから、「えらべるにんじんちゃん」シリーズを展開中。多品種のにんじんを育て、にんじんの品種名ではなく、何の料理に向いているのか?がわかるように商品名をつけ、お客さんが買うときに選びやすいようになっています。

にんじんは、トマトのように選んで買うイメージがなかったのですが、実は色も風味も食感もそれぞれ違って面白く、「えらべるにんじんちゃん」は、買うときからワクワクしちゃいます。

にんじん愛あふれる永井さんのお話で、参加者のみなさんのにんじん愛も深まっていきました。

 

 

にんじん会席スタート

 

にんじんの魅力がさまざまな形に表現されたにんじん会席。

お料理をいただきながら、長田料理長より、

にんじんの美味しい楽しい使い切りの技を教えていただきました。

切り方、加熱の仕方、調味方法など

家庭で出来る工夫も盛りだくさん。

 

 

サルベージ料理メモ

 

・切り方の工夫:部位ごとの特徴を活かせるよう切り方を考え、おいしく、きれいに使い切る。色、形、部位(皮、身)、食感(かたい、やわらかい)など。

・日本の保存の知恵:乾燥(天日干し)、塩漬け、発酵、酸の力などを利用して、日持ちさせる工夫。たくさんもらっちゃってすぐに使いきれない、というときに。

・レパートリーを増やす:ちょっといつもと違う、チャレンジした使い方で、新しいおいしさを楽しむ。新しい料理って、ごちそう感が増す気がしませんか。

・食材について知る:どんなふうに作られているのか、どんなひとが作っているのか、知ることで、愛着を持つ、大切に使いたくなる。そして、よりおいしく感じられる。

 

サルベージ にんじん会席

 

〈前菜〉

切り干し大根&人参:人参を乾燥させて長持ちさせる工夫。煮物用の人参の皮をむいた時の、人参の皮の活用にもなっています。大根でも同様にできます。

 

 

 

〈刺身〉

三色のにんじんのつまを添えて:カラフル人参の活かしかた。サラダにも活用できます。

 

 

〈揚げ物〉

にんじんしんじょ:人参の千切りと紅生姜。すり身に混ぜ合わせてあげました。

 

 

〈酢の物〉

にんじんドレッシング:ふだんは捨てられがちな人参ジュースの搾りかすの活用法。碧南地方では、搾りたてにんじんジュースをよく飲みます。その搾り粕に、お酢とオリーブオイル、白たまりを入れて混ぜるとドレッシングに変身。このまま食べても美味しく、彩りもきれいになリます。

 

 

 

〈煮物〉

豚角煮と人参きしめん。人参をピーラーで剥いて、茹でたものをあんに絡めて添えました。いつもと違う形に変身することで、みためも味も食感も新しい。麺みたいでおいしいと好評。

 

 

 

〈食事〉

丸ごとにんじん釜だきご飯:丸焼きした人参と白だしでご飯と炊き込んでにんじんの甘味を引き出します。仕上げにきんぴら人参とじゃこを混ぜて、旨味もたっぷりな贅沢ご飯。見た目のインパクトも抜群で、大人気メニュー。

 

 

 

 

 

〈デザート〉

にんじんプリン:煮物などの切り出しの工程で出てくるにんじんの切れ端などを全て蒸して潰して、にんじんプリンに活用。

 

 

 

 

参加者の感想

・食材や料理を作っている方の声を聞くと、改めて大切に食べようという気持ちになりました。

・フードロスをなくさなければ、という義務感というより、もっと視野を広げて、余すことなく楽しみながら食べたい、と思いました。

・人参を美味しく上手に使い切る、お話や料理がたくさんで楽しかったです。

 

永井さんの感想

いつでも手に入る野菜であるにんじんは、みなさんにとって馴染みのある野菜であり日常的に食べていただいています。

反面、当然あるものとなりがちで、食材として改めて目を向ける機会の少なさを感じていました。

いつもより少し深くにんじんに迫ってみると面白さや楽しさを引き出すことができるはず!

今回このような食材を大切にするイベントのメイン食材として取り上げていただき嬉しかったです。

少しですがにんじんの魅力を皆さんと共有できましたこと、感謝申上げます。

 

主催者&料理長の感想

修業時代に、食材は、始末を考えて料理しろとよく言われました。使いやすいところだけではなく、無駄なく最後まで使いきる、それが食材を成仏させることだと。

最初の皮のむき方に始まり、最後に残る部分も使いやすいように考えて切る。その言葉が頭の中に浮かびます。

いつもは脇役のにんじんですが、今回は主役ということで、色々と提案をさせていただきました。

切り方や、火の入れ方で味わいが変わること、そして簡単なドレッシングの作り方などなど。

どの料理も好評でよかったです。

早速、家庭で料理を実践された方も、何人もいらっしゃっいました。

美味しい碧南のにんじん。無駄なく美味しく楽しく食べていただきたいです。

 

 

2020-03-10