6月から開講する「フードロスの学校」は、
「フードロスのいま」を学び、
「食に対しての価値観」を考える場所です。
講師の方たちだけではなく、
もっと多くの考え方に触れてみたいと思い、
平井がいま気になる方たちに
フードロスについて、食について
あれこれうかがってきました。
トップバッターは、「タベモノガタリ」代表の
竹下友里絵さんです。
(フードロスの学校長/株式会社ホンショク 平井)
フードロスの学校とは
フードロスの学校[フードロス基本講座2019]受講者募集中!
ー竹下さんの活動について。
竹下友里絵さん(以下 竹下さん)
フードロスの中でも1番上流の「農場で発生するフードロス」に取り組んでいます。いわゆる規格外野菜だったり、マーケティングがうまくいかず出荷しきれずに畑に大量に残ってしまった野菜など。そういった農産物の情報をタイムリーにキャッチして、小売・卸売で販売しています。
味はいいのに捨てられる。
意志ある農家が作る野菜ほど、農薬を使わないなどの理由から規格に弾かれるケースが多い。そして、大量のフードロスが出てしまう。日本の農業が育っていかないのは流通側に責任があるのではないかと思いました。わたしたちはその仕組みを変えることによって「作った農産物が全て消費者に届く」状態を達成していきたいと思っています。
ーフードロスに対して私たちが取るべき行動について。
竹下さん
まず大前提として、論理と感情の両側面からフードロスを捉えることが必要だと思います。
- 「なぜフードロスを無くすべきですか?」という問いに対して、相手を説得できるレベルの自分なりの答えを見出せられるか、というのは非常に大事だと思っています。
例)
「もったいないから!」→感情的
「環境に良くないし!」→論理的
その問いに対する自分なりの答えを持てて、ようやく身近なアクションを起こしていく意味があると思います。まず自分の身近なところから気をつける。無駄なものは買わない、買ったものは無駄にせず使うなど。
それができれば周りの人にも伝えてみる。
「フードロスって◯◯だから無くすべきだと思うんだ。」
その先にはきっと…社会の仕組みを変えていくプレイヤーにもなれるのかもしれません。けれど焦らず、身近なところで発生しているフードロスはなぜ起きているのか、どうしたら無くなるのかを考えてみるところから始めるのがいいのではないでしょうか。
ー「フードロスの学校」に期待すること。
竹下さん
私がフードロスに興味を持ち始めたころ、この問題が大きすぎて何から考えたら良いのかわかりませんでした。そのときに、フードチェーンごとに分解して考えたり、個人の意識レベルから社会の仕組みのレベルにまで思考を行き来させたり。そんな作業をすることによってようやくフードロスを自分ごと化させることができました。
フードロスの学校では、様々な視点からフードロスに取り組まれている方がいらっしゃるとお伺いしました。多角的な視点をインプットし、そのまま受け入れるのではなく、じぶんの中でじっくり咀嚼することによって、「なぜフードロスは無くすべきなのか」という問いに対して、じぶんの中で答えを見つけていただけたらなと思います。
ー受講を考えている方に向けてのメッセージ。
竹下さん
「将来的にフードロスについて何か取り組みたい!」という人はもちろんですが、「最近ホットな話題だからもうちょっと知っておきたい」という程度の人まで参加できる内容ではないかと思います。
社会を俯瞰して研究されている大学の先生方や、フードロスという広い分野の中でも、じぶんの領域を決めて取り組まれている方。多角的な視点を取り入れられるのが本当に魅力だと思います(わたしが行動起こし始める、3年前とかからあってほしかった!笑)。
一次産業の衰退。食料自給率の低下。7人に1人の子どもがご飯を満足に食べられない。しかしその一方で、毎日全員がおにぎり1個を捨てている。そんな矛盾を解決するためのヒントがこの学校にはあるかもしれません。
竹下さんが店主をつとめる「八百屋のタケシタ」については
こちらをご覧ください。
竹下友里絵さんのプロフィール
竹下友里絵
タベモノガタリ株式会社 代表取締役社長
1996年神戸市生まれ。関西学院大学総合政策学部入学後、神戸大学農学部に3年次編入。4年目を休学し、デイブレイク(株)・(株)坂ノ途中でのインターンシップを経て2018年3月にタベモノガタリを創設。翌年2月に(株)ボーダレス・ジャパンのグループ会社としてタベモノガタリ(株)を創業。「作り手・食べ手・地球にGOODな農産物流通」をコンセプトとして掲げ、八百屋のタケシタ店主として兵庫県神戸市を中心に現在活動中。
2019-05-30